視点を変えれば世界が広がる!「Webデザイン発想法」

今回は、1年生の授業「Webデザイン発想法」の紹介をします。
Webデザイン発想法とは、様々な情報をいろいろな角度や視点から考えられる力を身に付け、柔軟な発想力を養う授業です。この授業では、「ものに対する見方を変える」ということを学んでいきます。

虫:「蜂」をモチーフに、その虫の表現方法を10個考えるという課題
10個の表現したものから3~5つを組み合わせるという課題

Webデザイン発想法の授業では、紙とペン(主にサインペン)を使って様々な課題に取り組んでいます。
左の写真は虫を題材とし、その虫の表現方法を10種類考えるという課題です。例えば、精密描写・直線のみでの描写・擬人化……これで3種類の表現方法ということになります。このように題材となる虫のイメージを、どこまで広げて考えることができるのかが重要となります。
右の写真は、先ほど表現した10種類の中から3~5つ選び、1つの画面に組み合わせるという課題です。組み合わせ方により見え方が異なってくるので、配置や組み合わせをどのようにするのかが重要になってきます。

学生達は各々、視点を変えたりイメージを膨らませたりするなどの試行錯誤を繰り返し、発想の難しさと楽しさを感じながら日々課題に取り組んでいます。このように見方や角度を少し変えるだけで、今までとは全く異なるものとして捉えることができるようになります。普段は考えないことを意識的に考えられるようになる、それがこの授業の魅力です。

課題に取り組む学生の様子
学生のアイデアに対し、アドバイスをしている川原崎先生

そんなWebデザイン発想法の講師をされている川原崎先生に、授業に対する想いをインタビューしました。

Webデザイン発想法の面白さとはなんですか?

川原崎先生
川原崎先生

この授業の面白さは2つあります。 1つ目は、アイデアがひらめいた瞬間を楽しめることです。面白いアイデアというものは、すぐには浮かびません。しかし、考えて考え抜いた結果、パッとひらめくものがあります。考えが結びついた時の楽しさ・高揚感がデザインの醍醐味の1つだと思うので、その喜びを学生達にも感じてほしいと思っています。 2つ目は、発想を具体的に表現し、人に発信できることです。自分が考えたことや施した仕掛けによって、そこに驚き・笑い・感動が生まれます。素晴らしいアイデアの発信は、多くの人々に幸せを与えることに繋がるのです。

この授業を通して学生に学んで欲しいことはなんですか?

川原崎先生
川原崎先生

デザインとは、社会や相手を幸せにするための手段です。なので、ひとりよがりな考え方ではいけません。そして、この授業では発想力だけでなく、人とコミュニケーションをとることの大切さを学んで欲しいのです。人がどう思い、どう考えているのかを聞いたり話したりすることで、学生が刺激を受けて考え方も広がると思います。多くの人と会話する中で、質の高いコミュニケーション力も身に付けてもらいたいと思っています。

この授業は、紙とペンを用いる作業が主ですが、Webにどうつなげていくのですか?

川原崎先生
川原崎先生

自分で考えたことをすぐにPC上で表現することができるデザイナーというのは多くありません。イメージとは抽象的なもので、頭の中ではわかっていてもそれを表現するのは難しいことです。そのために、まずは紙の上などで自分のイメージを表現してみることが大切です。この先技術が進化しても、自分の考えを表現する力は求められます。また、「発想する」というデザインの基幹部の重要性は、Webでもグラフィックでも変わらないでしょう。

デザインをする上で、発想に柔軟性があるかないかでデザインの幅が大きく変わってきます。そのことを理解し、いろいろな視点から物事を見て 表現する力を養っていけば、更に発想自体の幅が広がってくると思います。既成概念に捉われることなく、さまざまな演習をこなしながら柔軟な発想力を身に付けることができる。それがWebデザイン発想法の授業なのです。今後もWebデザイン発想法では、様々な奥深い課題が用意されていることでしょう。その課題に取り組むことで、学生達の発想の幅がどう広がっていくのか楽しみです。